【60代エンジニアの開業準備】「生涯現役」の現実と、4月稼働に向けたエージェント行脚

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はじめに:「生涯現役」の理想と、現場のスキルのミスマッチ

現在所属しているB社は「生涯現役カンパニー」を掲げている会社です。しかし、私のようなベテランが最も力を発揮できる「.NET案件」や「レガシー資産の保守・移行案件」のパイプラインは、現在の同社の主流ではないという現実にも直面しました。

それだけでなく、長年の経験に裏打ちされた私が培ってきた技術領域自体が、現在のB社内における技術評価の主流ではないという現実にも直面しました。会社が求めるエンジニア像と、私が提供できる熟練の価値。その間に生じたギャップを感じたことが、自らの足で新たな現場を探す決意へと繋がりました。

会社に依存するのではなく、自分のスキルを最も必要としている現場へ自ら飛び込む。そんな思いで、フリーランスとしての活動も視野に入れ、複数のエージェントへアプローチを開始しました。

60代、エージェント各社の反応。立ちはだかる「年齢の壁」

この数週間で、複数のITエージェントに登録・面談を行いました。結果は、驚くほど明確に分かれました。

大手・老舗の厳しい現実

  • PE-BANK / レバテックフリーランス

業界最大手ですが、結果は「ご紹介できる案件なし(お見送り)」。主な理由は、企業側が求める年齢層とマッチしないとのことで、面談にすら進めずお見送りとなりました。大手エージェントが抱えるクライアント(保守的な大企業)において、「60歳の壁」は依然として存在することを感じざるを得ません。スキルや経験の内容を見てもらう機会もなく、年齢だけで判断されたのは正直に言って残念ですが、これも一つの現実として受け止めます。

  • Tech-Stock

Tech Stockにも登録しましたが、現時点で特に返事はありません。サービスの紹介ページを見ると30代・40代の若手フリーランスエンジニアが中心とのことで、60代はターゲットから外れているようです。登録はしたものの、あまり期待はできないかもしれません。

シニアの価値を認めてくれるパートナー

一方で、私の37年の経験と技術を真正面から評価してくれたエージェントもありました。

  • SEES(シーズ)

SEESは40代から60代のシニアエンジニアに特化したエージェントで、こちらは面談を済ませています。初回面談の際にうかがった話では、取り扱っている案件は基本的にフルタイム勤務で、長期の参画を前提としたものが中心とのことでした。取引企業数が5,000社以上、案件数も豊富とのことで、70代で活躍されている方の実績もあるとのことで、年齢面での安心感がありました。

面談後しばらく連絡がなかったため、その後の進捗状況を確認するため、担当の方へ改めて連絡したところ、「希望条件に合致する案件が多くない状況」とのことでした。ただし、条件に近い案件や動きが出そうな企業については優先的に確認しているとの回答をいただいており、引き続き探してくれている状況です。

  • エイジレス(Ageless)

エイジレスは「年齢によるしがらみをなくす」をミッションに掲げているエージェントです。面談も丁寧に対応していただき、フリーランス案件だけでなく、契約社員としての案件も含めて幅広く紹介してくださるとのことでした。商流の関係でクライアントによっては間に別の会社を挟む場合があり、その際は契約社員という形態になることもあるそうです。

面談後しばらく連絡がなかったため、その後の進捗状況を確認するため、担当の方へ改めて連絡しましたが、返事はありませんでした。気になってエイジレスのサイトにログインしASP.NET案件を検索したところ、結果は0件(全件募集終了)。返事がなかった理由が判明したように思いました。ただし、後から考えると、エージェントの検索システムでは案件が「C#」や「.NET」などのキーワードで登録されていて、「ASP.NET」では検索にヒットしなかっただけという可能性もあります。実際、検索キーワードを変えるだけで結果が変わることは珍しくありません。いずれにしても、面談時の対応が丁寧だっただけに、その後の音沙汰がないのは残念でした。

案件探しの進捗 ― エージェントを追加登録して間口を広げる

当初登録した5社(レバテック、エイジレス、SEES、Tech Stock、PE-BANK)だけでは心もとないと感じ、さらに複数のエージェントに登録を進めました。ここでは、追加で登録した各社の状況をお伝えします。

  • Legacy Force(レガシーフォース)

エンジニア歴20年以上のベテラン・シニア人材に特化したマッチングサービスです。登録後すぐに面談日程の連絡があり、運営元である株式会社モロの代表と直接面談をしていただきました。

面談では実際の案件情報を見せていただきながら、私のスキルセットにどのような案件がマッチするかを一緒に見極めてくださいました。代表自ら対応してくださる丁寧さと、具体的な案件を見ながら進めてくれるスタイルに好印象を持ちました。小規模なエージェントならではのきめ細かさを感じます。

面談後しばらく連絡がなかったため、その後の進捗状況を確認するため、担当の方へ改めて連絡したところ、「現在3社へご提案を進めている」との回答がありました。まだ面談設定には至っていないとのことですが、具体的に3社に営業をかけてくれているのは心強い状況です。大手エージェントのように自動マッチングではなく、担当者が人の手で経歴をアピールしてくれる。小規模だからこその手厚さが、まさにここに表れています。

  • 60代エンジニア.com

60代のITエンジニアに完全特化した日本初のフリーランスエージェントということで、最も期待して登録したサービスのひとつでした。対応言語にASP.NETやC#.NETが明記されており、67歳のエンジニアが参画中という実績もうたわれていました。

しかし、2月17日に登録して以降、一度も返事がありませんでした。電話で直接連絡を取ろうとも考えていましたが、3月に入ってサイトにアクセスしてみたところ、ページが開かない状態になっていました。サーバーの一時的な障害の可能性もありますが、登録後1か月以上返事がなかったことと合わせて考えると、サービスの運営体制に何らかの問題が起きている可能性があります。

「日本初」「60代特化」「登録者1万人突破」という看板は非常に魅力的でしたが、看板と実態は必ずしも一致しないということを学びました。特に小規模なサービスは、突然の運営停止やサイト閉鎖のリスクも考慮しておく必要があります。登録後に返事がないエージェントについては、待ち続けるのではなく、サイトの稼働状況を自分で確認し、早めに見切りをつけて他のエージェントに注力する判断も大切です。

  • アデコフリーランス

アデコフリーランス(旧AKKODiSフリーランス)は、世界最大の人財サービス企業であるAdecco Groupが運営するマッチングサイト型のサービスです。アデコが東京都の事業と連携していることを知っていたため、登録してみました。

当初、登録後に届いた案件10件にはASP.NET関連が含まれていなかったため、検索条件にASP.NETを追加しました。しかし、その後に紹介された案件は「即日参画」を求めるものでした。私は現在の契約が3月末までのため、参画可能なのは4月1日以降です。検索条件としてスキルは反映されるようになったものの、参画時期のマッチングにはまだ課題が残っている状況です。

さらに、思わぬ落とし穴がありました。案件紹介メールのリンクから案件情報を画面表示していた際に、誤って応募ボタンをタップしてしまったのです。驚いたのは、確認ダイアログが一切表示されず、ワンタップで応募が確定してしまったことです。慌ててアデコに問い合わせましたが、応募の取り消しはできないとのこと。「応募先企業から連絡があった際に、誤った応募であることをお伝えください」という案内でした。

その後、誤って応募してしまったエージェント企業のうち1社から返事がありましたので、事情を説明してお断りしました。もう1社からは連絡がなく、そのまま自然消滅した形です。結果的に大きな問題にはなりませんでしたが、スマートフォンでの操作中に確認なしで応募が確定してしまう仕組みは、正直なところ不安を感じます。

マッチングサイト型のサービスは、エージェントが個別に営業してくれるタイプとは異なり、プロフィールの設定や検索条件の調整を自分で行う必要があります。受け身ではなく、自分から積極的に動く姿勢が求められる一方で、今回のように意図しない操作が取り返しのつかない結果になることもあります。マッチングサイト型のサービスを利用する際は、画面操作に十分注意されることをおすすめします。

  • ココナラテック

ココナラテック(旧フリエン)は案件数では大手に並ぶ規模で、新規参画者の約23.5%が50歳超というデータもあり、シニア層への門戸が比較的開かれている印象を受けて登録しました。登録から面談予約までの手続きは自動化されており、メールの案内に沿ってスムーズに面談日程を確定できました。大手ならではのシステム化が行き届いています。

初回面談で率直に聞いてみたところ、現時点ではASP.NETのフルリモート案件は見つからないとのことでした。サイト上では多数の案件が掲載されていても、実際に「60代OK」「フルリモート」「ASP.NET」という条件を重ねると、該当する案件はかなり限られるというのが現実のようです。

そこで面談の中で、ASP.NETに限定せず.NET系のデスクトップアプリケーション(C#、特にVB.NET)も対象範囲に含めて案件を探していただくよう依頼しました。私はVB.NETで15年、C#での開発経験もあるため、Webアプリだけでなくデスクトップアプリの領域でも十分に対応できます。

心強かったのは、「案件が紹介された場合は、60代OKの案件と考えてよい」と明言していただけたことです。つまり、ココナラテックから紹介される案件であれば年齢を理由に落とされる心配はないということになります。大手エージェントでありながら、年齢でフィルタリングせずに案件を探してくれるのは、他の大手とは大きく対応が異なります。

そして面談から数日後、ついに具体的な案件の紹介がありました。リモートあり(週1出社)、4月開始という内容です。必須スキル、さらに歓迎スキルも、私のスキルセットとは非常に相性がよく、すべてのスキル要件にマッチしていたため、すぐにエントリーを依頼しました。しかし、この案件は他社経由で別の候補者が先に決まり、お見送りとなりました。年齢やスキルが理由ではなく、他の候補者とのタイミングの差でした。

ここでひとつ、単価に関して学んだことがあります。ココナラテックの単価表示は“税別”だったという点です。税込と税別では月あたり数万円の差が出るため、この違いは大きいです。認識がずれていたまま進めていたら、契約後に「思っていた金額と違う」ということになりかねません。エージェントから単価を提示された際は、「税込か税別か」を必ず自分から確認することをおすすめします。思い込みは禁物です。

案件紹介の翌日には、担当者から電話で状況確認の連絡がありました。その際、講師の案件に興味があるかも聞かれましたが、私は開発エンジニアとして現場で手を動かし続けたいと考えているため、講師案件はその場でお断りしました。講師という選択肢もシニアエンジニアのキャリアパスとしては理解できますが、私にとっては「コードを書き続ける」ことが最優先です。

ただ、講師案件を提案されたこと自体は、60代のエンジニアに対する市場の見方を物語っているようにも感じます。開発の現場よりも「経験を教える立場」として期待されやすいのかもしれません。それが現実だとしても、まずは開発案件での参画を目指していきます。

その後、担当の方からお電話をいただき、単価について改めてご相談がありました。今回は「最低単価を少し調整して、より幅広い案件を探せるようにしたい」というご提案でした。60代という年齢条件がある以上、クライアント企業が受け入れやすい単価帯にすることで案件の選択肢を広げるという考えです。検討の結果、当初の希望額と先方の提案のちょうど中間あたりを下限として合意しました。会社員時代の手取りとほぼ同等の水準は維持できるラインであり、最初のフリーランス案件は「実績を作る」という意味が大きいことを考えると、妥当な判断だと考えています。

そしてさらに、2件目の案件紹介がありました。こちらは基本リモートでの参画が可能な案件で、働き方の面で魅力があります。その後、クライアント企業が上流工程の方を優先的に見ているとの情報があり、引き続き先方に打診してくれています。

ここまで12社以上のエージェントに登録して、具体的な案件を紹介してくれたのはココナラテックだけです。担当者が個別に電話をくれ、単価の相談もしてくれ、複数の案件を紹介してくれる。60代のフリーランスにとって、こうした人の手によるサポートがどれだけ心強いか、身をもって実感しています。

さらに間口を広げて新規登録

面談済みの4社からなかなか案件が出てこない状況に危機感を覚え、さらに3社(クラウドワークス テック / テックダイレクト / ランサーズ テックエージェント)のエージェントに追加登録しました。クラウドソーシング大手が運営するフリーランスエージェントで、すでにクラウドワークスとランサーズにはアカウントがあったため、関連サービスへの展開はスムーズでした。

ただし、3社ともシニア特化型ではなく、主なターゲット層は20代〜40代です。登録してみて案件を紹介してもらえるかどうかは未知数ですが、登録すること自体にデメリットはないため、間口を広げる意味で追加しました。

なお、テックダイレクトからは登録後すぐに「おすすめ案件」のメールが届きましたが、必須スキルが私のスキルセットとはマッチしない案件でした。アデコフリーランスでも同様の経験をしましたが、マッチングサイト型のサービスから届く「おすすめ」メールは、必須スキルとの実際のマッチ度は考慮されていません。担当者が経歴を理解した上で手動で選んでくれるエージェント型との違いを、ここでも感じました。

  • ROSCA

3月も後半に入り、ココナラテックの2件は動きがないまま、Legacy Forceの3社提案も面談設定に至らず、エンドとの面談が一度も実現しないまま時間が過ぎていきました。正直なところ心配になり、何か手を打たなければという焦りから、クラウドワークス テック経由でメールが届いていたROSCA株式会社というエージェントに登録しました。

ROSCAはクラウドワークス テックと業務提携しているエージェントで、マージンを「一律固定額」で公開しているのが特徴です。表示単価はマージン差し引き後のエンジニア受取額であることを面談で確認できました。マージンが公開されているため、エンド企業がいくら支払っているかが逆算でき、自分の市場価値を把握しやすい仕組みです。

初回面談では、担当者から率直な市場状況を教えていただきました。この時期は4月案件の決定スピードが非常に早まっているとのこと。3月中旬以降、企業の新年度予算が確定し始め、4月開始の案件が次々と決まっていっている状況だそうです。つまり、迷っている間に案件が他の人で埋まってしまうリスクがあるということです。

面談の結果、以下の方針で案件を探していただくことになりました。

まず、対象時期を5月開始まで拡大しました。4月にこだわりすぎると焦って条件の悪い案件を受けてしまうリスクがあります。5月まで広げることで選択肢が増え、4月中にじっくり比較できる時間的余裕も生まれます。

そして、働き方の条件についても担当者から提案がありました。他の応募者との差別化を図るため、週5日出社可としたいとのことです。レバテックプラットフォームの調査でフルリモート可はわずか15%であることがわかっていましたし、フルリモートにこだわるほど応募できる案件が減り、他の応募者に機会を奪われるリスクがあります。通勤1時間以内という条件で、週5日出社を承諾しました。フルリモートに限定していては案件が見つからないという現実を受け入れた判断です。

さらに、担当者から「4月案件の決定スピードが早まっている状況を踏まえ、条件に合致する案件については先行してエントリーを進めさせていただきたい」との提案がありました。年齢で書類選考がなかなか通らないことは容易に予想できます。エントリーの数を増やさなければ、面談にたどり着く確率も上がりません。この方針は理にかなっていると判断し、了承しました。書類通過や面談依頼があれば、詳細な案件情報とともに都度相談してくれるとのことです。

ROSCAの担当者は市場の動きを的確に捉えた上で戦略的に動いてくれている印象があります。ただし、気になる点もあります。支払いサイトが他のエージェントと比べて長めであることと、口コミでは少人数で案件数が少ないという声もあることです。

  • IDHフリーランス

転職サイトで株式会社アイ・ディ・エイチからのスカウトメールがたくさん届いていました。求人広告を読んでみると、「会社のイベントや帰社は強制ではない」「案件選択制」「単価連動の給与」と、B社とは真逆の社風が書かれていました。OpenWorkの口コミでも同様の評価が多く、「やらされている感」を感じていた私にとっては魅力的に映り、試しに登録してみました。IDHフリーランスには「就職保証」という仕組みがあり、フリーランスとして不安を感じたら、IDHの正社員(SES)として就職できるとのことです。

登録後、日程調整のメールが届きました。ただし、メールの宛名に「様」がなく、最初に提示した候補日はすべて埋まっているとのこと。相手の要望に合わせて改めて候補日を返信しましたが、しばらく返信がありませんでした。数日後にようやく返信があり、面談が実現しました。

面談では、事前の期待と現実のギャップがいくつか明らかになりました。まず、月単価はマージン込みの表示でした。表示単価からマージンが差し引かれます。また、インボイス未登録の場合は月単価からさらに2%が引かれるとのことです。開業届を出していない現時点ではインボイス登録もしていないため、この2%は確実に差し引かれることになります。支払いサイトは40〜45日で、一般的な水準と比較するとやや長めの条件です。

そして最も期待していた「就職保証」については、60代には適用されないことがわかりました。正社員としての就職保証はなく、切り替える場合は契約社員になるとのことです。IDHに惹かれた最大の理由だった「フリーランスがダメなら正社員に切り替えられる」という安心感が、60代には存在しないということです。

案件の探し方については、希望条件にマッチした案件を探してエントリーしてもらう方針で依頼しました。IDHにしかない案件が出てくる可能性はゼロではないため、選択肢のひとつとしては残しておきますが、正直なところ大きな期待はしていません。

振り返ってみると、転職サイトのスカウトメールは私に「たくさん」届いていました。つまり、年齢やスキルを見た上での個別のスカウトではなく、条件を広くとった大量送信だった可能性が高いです。スカウトメールが届くと「自分に興味を持ってくれている」と感じてしまいますが、実態は自動配信であり、面談してみたら60代には主要なメリットが適用されない。求人広告やスカウトメールの謳い文句は、自分の年齢や状況に当てはまるかどうかを面談で確認するまでは、額面通り受け取らないほうがよいということを改めて学びました。

もうひとつ、この件を通じて学んだことがあります。私がIDHフリーランスに惹かれたきっかけのひとつはOpenWorkの口コミの高評価でした。しかし、後から会社名で調べてみると、過去に「アイ・ディ・エイチ事件」として知られる裁判(東京地裁 令和4年11月16日判決)があったことがわかりました。在宅勤務者に対する出社命令の有効性が争われた事案で、判決自体は公開されている判例情報です。裁判は個別の事情に基づくものであり、それだけで会社の良し悪しを判断することはできません。しかし、口コミサイトの高評価と裁判事例が同じ会社に存在するという事実は、口コミだけで会社を判断することの危うさを教えてくれました。

口コミサイトの評価は、主に「うまくいっている現職社員」の声が反映されやすい構造になっています。スキルが高く案件に恵まれた人にとっては最高の環境であっても、そうでない人にとっては異なる経験になることもある。これはSES企業に限らず、フリーランスのエージェント選びにも言えることです。「登録者1万人突破」と掲げていたサービスのサイトが閉鎖されたり、「リモート案件97%」の実態がフルリモート15%だったりする。口コミや広告の数字だけでなく、複数の情報源を使って裏側も調べる習慣が、フリーランスには不可欠だと実感しています。

自分でも案件を探してみた

エージェントからの紹介を待つだけでなく、自分でも各エージェントの検索ページを使って案件を探してみました。3月上旬の時点では4月から参画可能な案件がまだ少ないという印象で、企業側の新年度予算が確定する3月中旬以降に案件数が増えてくることを期待していました。

実際のところ、3月中旬にはココナラテックから2件目の案件紹介がありました。案件自体は動き出していたのだと思います。しかし、3月27日時点で振り返ると、紹介された案件はココナラテックの2件のみ。1件目はお見送り、2件目も難航。3月も残すところ平日2日(3月30日・31日)で、4月開始の案件がこの2日間で決まる見込みはほぼありません。「3月中旬以降に案件が増える」という期待は、確かに案件は動いていたものの、60代×ASP.NETという条件では恩恵を受けられなかったというのが正直な実感です。ROSCAの担当者が言っていた「決定スピードが早まっている」のは事実でしたが、それは若手やメジャーなスキルセットの話であって、60代の.NETエンジニアにとってはスピードが早まった分だけ、他の候補者に先を越されるリスクが高まったということでもありました。

なお、レバテックフリーランスからのお見送り通知メールの末尾に「レバテックプラットフォーム」というサービスの案内が記載されていたため、アカウントを登録してみました。レバテックプラットフォームはフリーランス市場の動向や案件の傾向を調査できる情報プラットフォームとして活用するつもりで登録しましたが、後日、登録情報をもとに自動的にマッチング検索が行われたようで、「ご提案できる案件の保有がない」との定型文メールが届きました。試しにレバテックプラットフォーム上でASP.NETを検索してみたところ、結果は0件。エイジレスのサイトでもASP.NETが0件だったことを考えると、ASP.NETのフリーランス案件は市場全体として少ない可能性があります。ただし、同じレバテックプラットフォームでC#やC#.NETで検索した際にはリモート可の割合や勤務日数の傾向などのデータが得られていたため、案件自体が「C#」や「.NET」といった別のキーワードで登録されていて「ASP.NET」では検索にヒットしなかっただけという可能性もあります。エージェントの検索システムを利用する際は、ひとつのキーワードで結果が出なくても、関連するキーワード(C#、.NET、MVC等)で試してみることをおすすめします。案件紹介では縁がありませんでしたが、市場調査のツールとしては引き続き活用しています。

試しにC#/C#.NETの関東エリアの案件傾向を調べてみたところ、興味深いデータが得られました。

リモートワークの状況を見ると、一部リモート可が約45%、リモート不可が約40%、フルリモート可が約15%という割合です。フルリモート可はわずか15%で、完全在宅で働ける案件はかなり限られています。一部リモート可が最も多いとはいえ、週に何日かは出社が求められるのが現実です。先日ココナラテックから紹介された「週1出社」の案件は、この市場環境の中では恵まれた条件だったことがわかります。

そしてもうひとつ、はっきりと見えたのが勤務日数の偏りです。「週5日」の案件がダントツで多く、週4日以下の案件は非常に少ない。フリーランスになれば働き方を自由に選べるというイメージがありましたが、実際のフリーランス市場は週5日フルタイム勤務が大前提になっています。

フリーランスとしての準備状況

エージェントへの登録と並行して、個人事業主として活動するための事務的な準備も進めています。

まず、開業届については弥生、freee、e-Taxソフトの3つを使って入力を完了しました。現時点ではまだ提出前の段階ですが、いつでも届出できる状態になっています。

印鑑についても、屋号入りの角印、代表者の丸印、銀行届出用の認印、そして住所のゴム印を一式揃えました。フリーランスとはいえ、契約書の締結や請求書の発行など、印鑑が必要になる場面は意外と多いため、早めに準備しておいて正解だったと思います。

名刺も作成済みです。屋号、氏名、連絡先などを記載したシンプルなデザインで、エージェントとの面談やクライアントとの顔合わせの際にすぐ使えるよう用意しました。

こうした事務的な準備に加えて、案件探しを進める中でフリーランスの契約構造についても学ぶことができました。

会社員時代は、自分が働く会社=給与を支払う会社で、契約関係はシンプルでした。しかしフリーランスの場合、実際に作業する現場(エンド企業)と、報酬を支払う契約先(エージェント企業)が異なるケースが多いということを知りました。エンド企業との間に1社あるいは複数のエージェントが介在する「商流」という構造があり、自分がどの位置で契約するかによって、単価や契約条件に違いが出てきます。

このことを知ったきっかけは、マッチングサイト型のサービスを通じて、面識のないエージェント企業から案件の紹介やスカウトが届いたことです。最初は戸惑いましたが、調べていくうちに、これはフリーランス市場ではごく一般的な仕組みだとわかりました。複数のエージェントがそれぞれの取引先から案件情報を集め、マッチするエンジニアに紹介するという流れです。

フリーランスとして安心して働くためには、契約相手となるエージェント企業がどのような会社かを自分で確認することも大切だと感じました。具体的には、会社の設立年や規模、報酬の支払い条件(締め日と支払日)、商流が何次であるかといった点です。シニア特化型のエージェントのように、担当者と直接面談をして信頼関係を築いた上で案件を紹介してもらえる形であれば安心感がありますし、マッチングサイト型のサービスを利用する場合は、案件内容だけでなく紹介元の企業についても自分で情報を集める姿勢が必要になります。

こうした契約構造の知識は、会社員時代には意識する必要のなかったことです。しかし、フリーランスとして働く以上、自分の報酬がどのような流れで支払われるのかを理解しておくことは、案件選びの判断材料としても、トラブルを未然に防ぐためにも、大切な「準備」のひとつだと思います。

案件探しばかりに気を取られがちですが、事務的な準備を先に済ませ、業界の仕組みを理解しておくことで、いざ案件が決まったときにスムーズに稼働開始できます。これからフリーランスを目指す方には、早め早めの準備をおすすめします。

見えてきた現実

ここまで12社以上のエージェントに登録・面談を進めてきた結果、はっきりとした傾向が見えてきました。

年齢で門前払いされたエージェント: レバテックフリーランス、PE-BANK、Tech Stock(実質無反応)

60代を受け入れてくれたエージェント: エイジレス、SEES、Legacy Force、ココナラテック、ROSCA

大手・汎用型のエージェントは案件数こそ豊富ですが、クライアント企業が設定する年齢条件をそのまま適用するため、60代のエンジニアはスキルや経験に関係なくフィルタリングされてしまいます。一方、シニア特化型のエージェントでは年齢がハンデにならず、むしろ長年の経験をアピールポイントとして見てもらえます。

つまり、60代のエンジニアにとっては「どのエージェントを選ぶか」が案件獲得の最大のポイントになるのです。

さらにもうひとつ、エージェントとの面談を重ねる中で見えてきたことがあります。それは、ASP.NETのフルリモート案件は市場全体として少ないという現実です。複数のエージェントに「ASP.NET × フルリモート × 60代OK」という条件で相談しましたが、すべての条件を満たす案件はなかなか見つかりません。レバテックプラットフォームの調査でも、C#.NET案件のフルリモート可はわずか15%であることが裏付けられました。そこで、ASP.NETに固執せず.NET系のデスクトップアプリケーション(C#・VB.NET)まで対象を広げるという判断をしました。長年培ったVB.NETの経験を活かせる領域は、Webアプリだけではないはずです。

そしてもうひとつ、案件探しを通じて感じたのは、60代のエンジニアは「開発者」よりも「講師」や「アドバイザー」として見られやすいということです。実際にエージェントから講師案件を提案される場面がありました。長年の経験を「教える」方向で活かしてほしいという需要があるのは理解できますが、開発の最前線で手を動かし続けたいエンジニアにとっては、こうした市場の期待とのギャップも乗り越えるべき壁のひとつです。

レバテックプラットフォームで見えた「週5日がダントツ」という現実も、率直に言って考えさせられるものがありました。フリーランスになったのに、働き方は会社員と変わらないのか。このまま死ぬまでフルタイムで働くのか――。

ここで思い出したのが、東京しごとセンターの「定年後の働き方を考える」というセミナーで講師のキャリアコンサルタントの方がおっしゃっていた言葉です。「定年後は『途轍(とてつ)もない世界』に入る」と。途轍もないとは、普段は「とんでもない」という意味で使われますが、本来の意味はもっと深い。「途」は道の跡、「轍」は訓読みで「わだち」、車輪が残した跡のこと。英語ではこれをキャリア(Career)という。つまり「途轍もない世界」とは、キャリアの形跡のない世界、すなわち「あてがいぶちのない世界」ということになる――。

会社員であれば、会社が案件を用意し、給与を決め、社会保険を半分負担してくれます。定年まではレールが敷かれた世界です。しかし定年後、ましてやフリーランスとして独立すれば、案件も単価も働き方も、すべて自分で切り拓かなければならない。まさに「途轍もない世界」です。

しかし、裏を返せば、道が決められていないからこそ自分で道を選べる世界でもあります。「生涯現役」とは「死ぬまでフルタイムで働くこと」ではないはずです。「生涯現役」とは、自分の意思で、働く量と場所を選び続けることだと、私は考えています。最初は週5日の案件を受けるとしても、実績を積みながら少しずつ自分のペースに近づけていけばいい。その選択肢を持てること自体が、会社員にはないフリーランスの最大の強みです。

――そう書きましたが、正直なところ、現時点でフリーランスのメリットとして実感できているのは「案件を断る自由がある」ことくらいです。希望に合う案件自体が少なく、こちらが自由に選べるような状況にはありません。実際に見ていると、案件の多くは週5日フルタイム・出社が前提で、働き方としては会社員とほとんど変わりません。「フリーランスだから自由」というイメージはありますが、少なくとも今の市場感では、その自由を実感しにくいのが本音です。

もちろん、会社員として就職する場合にも、年齢の壁があることは間違いありません。その点、「生涯現役」をうたっているSES企業であれば、比較的門戸は開かれているように見えます。ただ、実際には求人票に「正社員」と書かれていても、面談の場で「契約社員です」と説明されることがあったり、固定残業代が含まれていたりする企業も少なくありません。

さらに言えば、SES企業に入ったからといって安心できるわけでもありません。案件がなければ待機になるという点では、フリーランスと大きく変わらないからです。営業担当から紹介される案件についても、こちらがまったく経験していない領域だったり、必須スキルが明らかにマッチしていなかったりすることもあります。

つまり、フリーランスでも会社員(SES)でも、「案件がなければ同じ」という根本的な課題は変わらないのです。であれば、自分で案件を選び、自分で単価を交渉し、自分で働き方を決められるフリーランスのほうが、少なくとも「選ぶ自由」だけは手元にある。今はまだその自由を十分に活かせていませんが、実績を積んだ先にこそ、フリーランスの本当のメリットが見えてくるのだと信じて、案件探しを続けています。

振り返ってみると、SES企業には福利厚生や社内研修、評価制度、コーチ制度が充実しているところもあります。私が在籍していたB社もそうでした。しかし正直なところ、会社に「やらされている感」がどうしてもありました。研修も評価も、会社の仕組みの中で決められた枠に沿って動いている。それ自体は悪いことではありません。ただ、37年間この業界にいて、60代になった今、残りのキャリアを誰かに決めてもらうのではなく、自分で決めたいという思いが強くなったのです。

年齢的にフリーランスの案件探しが厳しいのは百も承知です。13社以上のエージェントに登録して、面談を重ねて、条件を広げて、それでも3月末の時点でエンドとの面談が一度も実現していない。これが60代フリーランスの現実です。しかし、結果がどうであれ、自ら行動し、案件を選び、フリーランスへ向かおうとしたことに悔いはありません。会社に言われて動くのではなく、自分で決めて動いた。その事実だけでも、この数か月間には意味があったと思っています。

60代の案件探しでは「どのエージェントを選ぶか」に加えて、「スキルの間口をどこまで広げるか」、そして「自分がどう働きたいかを明確に伝えること」も重要なポイントだと実感しています。

案件探しで学んだこと

エージェントへの登録や案件情報の分析を通じて、会社員時代には知り得なかったフリーランス市場の「作法」をいくつか学びました。これからフリーランスを目指す方、特に同世代のシニアエンジニアの参考になればと思い、ここにまとめます。

サイレントお見送りは珍しくない。

フリーランスの案件選考では、お見送りの通知が来ないことがあります。転職エージェントであれば不採用の連絡がWeb上で通知されるのが一般的ですが、フリーランスの業務委託案件では、クライアント企業が別の候補者で決めた場合や、案件自体がなくなった場合に、エージェントからの連絡がないまま自然消滅するケースがあるのです。エントリー後1週間ほど経っても連絡がなければ、自分から状況を確認する。これはフリーランスにとって当然の行動であり、催促ではありません。実際、私もエージェントに状況確認のメールを送ったところ、丁寧に返信をいただけました。待っているだけでは状況は動きません。

「募集背景:交代要員」は注意して読むべき。

案件情報に「募集背景:交代要員」と記載されている場合、前任者の契約満了や本人都合による退場であれば問題ありませんが、現場がハードすぎてリタイアしたケースも含まれます。実際に、ある案件に興味を持って契約先のエージェント企業の口コミを調べたところ、「高稼働案件が多い」「営業フォローが弱い」という情報が複数見つかりました。精算幅が140〜180時間と書かれていても、実態として上限に張り付く稼働が常態化している現場もあり得ます。特にフリーランスの最初の案件では、無理のない環境を選ぶことが長く現役でいるための鍵です。案件情報だけでなく、契約先の企業の評判も自分で調べる習慣をつけることをおすすめします。

エージェント型とマッチングサイト型は使い分ける。

案件探しを通じて、エージェントには大きく「担当者がつくエージェント型」と「自分で検索するマッチングサイト型」の2種類があることを実感しました。エージェント型は担当者が経歴を理解した上で案件を選んでくれるため、スキルマッチの精度が高く、年齢への配慮もあります。一方、マッチングサイト型はキーワードによる自動マッチングが中心で、必須スキルが合わない案件が「おすすめ」として届くことも珍しくありません。60代のエンジニアにとっては、担当者が人の手で経歴をアピールしてくれるエージェント型のほうが圧倒的に相性が良いと感じています。

「精算幅なし(固定給)」「稼働率100%」の案件は慎重に。

案件情報を見ていると、報酬の支払い方式にいくつかのパターンがあることに気づきました。多くの案件では「精算幅:140〜180時間」のように精算幅が設定されています。これは月の稼働時間がこの範囲内であれば固定報酬が支払われ、下回れば減額、上回れば超過分が追加で支払われるという仕組みです。つまり、精算幅はフリーランスの労働時間を守るセーフティネットでもあります。一方で、「精算幅:なし(固定給)」「稼働率:100%(クライアント就業時間に依る)」と記載された案件もあります。これは月の報酬が固定で、クライアントの就業時間に合わせてフルタイムで稼働するという意味です。一見すると安定した収入に見えますが、実態としては残業が発生しても追加報酬がなく、クライアントの就業時間が長ければそのまま長時間労働になるリスクがあります。業務委託という契約形態でありながら、実質的には会社員と同じかそれ以上の拘束を受ける可能性もあるのです。案件情報の「精算幅」と「稼働率」の欄は、単価と同じくらい重要な項目です。見落とさないよう注意してください。

「支払いサイト」は資金繰りに直結する。

エージェントの情報を調べていると、「サイト:15日」「サイト:30日」といった記載を見かけます。最初は何のことかわかりませんでした。これは報酬の締め日から実際に振り込まれるまでの日数を表しており、エージェントごとに異なります。例えば「月末締め翌月15日払い(15日サイト)」のエージェントであれば、4月に稼働した分の報酬が5月15日に振り込まれます。「月末締め翌月末払い(30日サイト)」のエージェントなら、5月末まで待つことになります。会社員であれば毎月決まった日に給与が振り込まれるため、支払いサイトという概念を意識する必要はありません。しかしフリーランスの場合、稼働開始から最初の入金までに1か月半〜2か月かかるのが一般的です。4月1日に稼働を始めた場合、15日サイトのエージェントなら5月15日に最初の報酬が入りますが、30日サイトだと5月末、60日サイトのエージェントであれば6月末まで収入がゼロということになります。つまり、少なくとも1〜2か月分の生活費を手元に確保しておく必要があるのです。同じ案件でもエージェントによって支払いサイトが異なるため、単価だけでなくエージェントの支払い条件も重要な判断材料です。

担当工程の名称で単価が変わる。「基本設計から」と「詳細設計から」の違い。

フリーランスの案件情報を見ていると、「基本設計~テスト」「詳細設計~テスト」のように担当する工程の範囲が記載されています。一般的に、担当工程がより上流であるほど単価が高くなる傾向があります。「基本設計から対応可能」なエンジニアは、要件をシステムの構造に落とし込む設計能力が求められるため評価が高く、「詳細設計から」だと設計方針が決まった後の作業になるため、相対的に単価が抑えられるのです。ここで注意したいのは、現場によって工程の区分や名称が異なるということです。教科書的には「要件定義→基本設計→詳細設計→実装→テスト」という流れですが、実際の開発現場では基本設計と詳細設計が明確に分かれていないケースも珍しくありません。私自身、現在参画している現場では「要件定義→詳細設計→実装→テスト」という流れで、基本設計と呼ばれる工程がありませんでした。しかし実際にやっていた作業の内容――画面設計、DB設計、処理方式の決定など――は、一般的には基本設計に相当するものです。フリーランスの案件ではこの工程名の違いが単価に直結するため、スキルシートや経歴書には工程名だけでなく実際に行った作業の内容を具体的に記載することが大切です。「詳細設計を担当」と書くよりも、「画面設計・DB設計・処理方式の決定を含む設計工程を担当」と書いたほうが、基本設計相当の能力があることが正確に伝わります。

商流の深さと還元率が、お見送りに直結する。

案件探しを進める中で、「商流」という概念がフリーランスの報酬に大きく影響することを学びました。フリーランスの業務委託案件では、エンド企業(実際に働く現場)とエンジニアの間に1社あるいは複数のエージェントが介在します。これを「1次請け」「2次請け」「3次請け」と呼びます。商流が深くなるほど、間に入るエージェントがそれぞれマージンを取るため、エンジニアに渡る金額(還元率)が下がります。ここで重要なのは、還元率の低さがお見送りに直結するということです。還元率が高ければ、「この金額でこのスキルなら、コスパ最高だね!」と採用されやすくなります。しかし2次請け、3次請けと商流が深くなると、同じ予算でもエンジニアの受取額は下がります。金額が下がれば「えっ、こんなに高いお金を払うのに、来るのはこのレベル(金額相応の経験)の人なの?」と判断し、「お見送り」になりやすくなるのです。つまり、エンジニアが「この人でなければ」と選ばれるには、商流が浅く還元率が高い案件であることが重要です。案件を比較する際は、単価だけでなく「商流は何次か」を確認すること。商流が浅いほど、経験が正当に評価され、選ばれる可能性が高くなります。

案件の表示単価は「手取り額」とは限らない。

案件情報に記載されている単価が、そのまま自分の手取りになるとは限りません。私はクラウドソーシング(クラウドワークス)を利用した経験があるのですが、クラウドソーシングでは表示されている報酬金額から手数料が差し引かれて振り込まれます。フリーランスエージェントでも同様に、表示単価とエンジニアの受取額が異なるケースがあり得ます。多くのエージェントはマージンを非公開にしており、案件情報の表示単価はマージンを差し引いた後のエンジニア受取額であるのが一般的です。しかし、中には表示単価がマージン差引前の金額(クライアント支払額)である場合も存在します。したがって、表示単価がマージン差し引き後の受取額なのか、それともこの表示額からさらにマージンが引かれるのかを確認しなければなりません。「税込みか税抜きか」の確認と同様に、「表示単価はマージン込みか別か」も、思い込まずに必ず自分から確認すべき項目です。クラウドソーシングで手数料が引かれる経験をしていたからこそ、この点に気づくことができました。会社員時代には考える必要のなかったことですが、フリーランスとして自分の報酬を守るためには、表示されている数字の「意味」を一つひとつ確認する習慣が欠かせません。

「人月単価」と「契約人月数」で報酬と期間が決まる。

フリーランスの報酬は「人月単価」で提示されます。「1人月」とは、1人のエンジニアが1か月フルタイムで稼働する量のことです。会社員の月給に近い概念ですが、フリーランスの場合は「契約人月数」によって契約期間が決まるという点が大きく異なります。例えば「契約人月数:6人月」で募集1名の案件であれば、1人で6か月間の稼働が見込まれるということです。人月単価が50万円なら、6か月間で合計300万円の契約です。ここで重要なのは、契約人月数が多いほど安定して稼働できるということです。契約人月数が少ない短期案件では、終了後すぐに次の案件を探さなければなりません。フリーランスとして最初の案件を選ぶ際は、単価だけでなく契約人月数(=契約期間の見込み)にも注目することをおすすめします。案件情報に「4月~長期」と書かれていれば長期稼働が期待でき、「来年度より依頼範囲の拡大が予定」といった記載があれば、契約更新の可能性が高い案件だと判断できます。

複数エージェントへの登録は「二重応募」に要注意。

案件探しの間口を広げるために複数のエージェントに登録するのは有効な戦略ですが、登録先が増えるほど「二重応募」のリスクが高まります。二重応募とは、同じ案件に異なるエージェント経由で重複してエントリーしてしまうことです。実際に私が経験したのは、あるエージェントに登録した際に、すでに別のエージェント経由でエントリー済みの案件が「おすすめ」として表示されていたケースです。エージェントによって案件名の付け方が異なるため、一見すると別の案件に見えることがあります。さらに、indeedなどの求人集約サイトにも複数のエージェントの案件が掲載されているため、同じ案件が別々のルートから目に入る機会が増えます。二重応募が発覚すると、クライアント企業に「自己管理ができない人」という印象を与え、両方のエントリーがお見送りになるリスクがあります。さらに、エージェントからの信頼も失いかねません。対策としては、エントリー済みの案件を一覧で記録し、新しい案件を見たときに技術スタック・勤務地・開始時期・募集人数などを照合することです。少しでも似ていると感じたら、エージェントに「すでに別のエージェント経由でエントリーしている案件と同一でしょうか」と確認する。これは失礼ではなく、むしろ自己管理ができている証拠として好印象です。12社以上に登録した私だからこそ実感していますが、登録先が多いほど管理の手間も増えるということを、これから複数登録を考えている方にはお伝えしたいと思います。

口コミサイトの高評価や求人広告の謳い文句を鵜呑みにしない。

エージェントやSES企業を選ぶ際、口コミサイトの評価や求人広告の記載は重要な判断材料です。しかし、それだけで判断するのは危険だと実感しました。口コミサイトの評価は、主にスキルが高く案件に恵まれた現職社員の声が反映されやすい構造になっています。うまくいっている人は高評価を投稿しますが、深刻なトラブルを経験した人は口コミではなく法的手段に訴える場合もあります。実際に、口コミサイトで高評価のある企業でも、過去に労働裁判の判例が公開されているケースがありました。裁判は個別の事情に基づくものであり、それだけで会社を判断すべきではありませんが、口コミの高評価と裁判事例が同じ会社に存在し得るということは知っておくべきです。エージェントやSES企業を選ぶ際は、口コミサイトに加えて、会社名で「判例」「裁判」「事件」と組み合わせて検索してみることをおすすめします。求人広告の「自由な社風」「強制なし」といった謳い文句も、複数の情報源で裏付けを取ることが大切です。

条件緩和メールを送信

3月も下旬に入りました。契約満了まで残り1週間。ココナラテックから紹介された2件は選考が進まず、Legacy Forceの3社提案も面談設定に至らず、エンドとの面談は一度も実現していません。13社以上のエージェントに登録し、面談を重ね、条件を広げてきましたが、3月中に案件が決まる見込みは正直なところ厳しい状況です。

このまま待っていても状況は変わらないと判断し、3月23日、登録済みのエージェント4社(ココナラテック・SEES・Legacy Force・エイジレス)に条件緩和のメールを送信しました。内容は「5月開始も視野に入れたこと」です。4月開始にこだわらず5月まで広げること。当初の希望条件からはかなり譲歩しましたが、案件が決まらなければ何も始まりません。結果、5通すべてから返信がありました。

ココナラテックからは2件の案件について進捗の報告がありました。1件目の案件は、他社経由で別の候補者が先に決まったとのことでお見送り。2件目の案件は、クライアント企業が上流工程の方を優先的に見ているとのことでした。

Legacy Forceからは、3社への提案が年齢の観点から難航しているとの率直な報告がありました。スキルや経験ではなく、年齢で面談にすら進めなかったという現実です。ただし、正直に状況を報告してくださったこと、5月開始案件も含めて方針を切り替えてくださったことには感謝しています。

SEESとエイジレスからは、5月案件も含めて間口を広げて探すとの回答がありました。エイジレスについては、前回の連絡では返事がなく、サイトでASP.NET案件が0件だったため実質終了と判断していましたが、検索キーワードの問題だった可能性もあり、今回の条件緩和で検索範囲が広がったこともあってか、返信が返ってきました。

5通送って5通とも返信が来たことで、3月23日時点の全体状況が明確になりました。条件緩和という「新しい情報」を添えたことで、催促ではなく条件更新の連絡として自然に状況確認ができました。待っているだけでは状況は動きません。エージェントへの連絡は、新しい情報を添えて定期的に行うことが大切だと改めて実感しました。

今後の方針

スキル面でもASP.NETだけでなく.NET系デスクトップアプリケーションまで対象を広げ、柔軟に対応しています。さらに、当初はフルリモートを希望していましたが、市場の実態を踏まえて通勤1時間以内・週5日出社も受け入れる判断をしました。対象時期も4月開始だけでなく5月開始まで拡大しています。間口を最大限に広げた上で、案件を待つ体制です。

ROSCAの担当者によると、4月案件の決定スピードが非常に早まっている状況とのことです。3月中旬以降、企業の新年度予算が確定し始め、案件が次々と決まっていっています。迷っている間に他の人で埋まってしまうリスクがあるため、ROSCAには条件に合う案件への先行エントリーを任せています。

また、案件の単価については、税込みか税抜きか、マージンが表示単価に含まれているか否かで手取り額が大きく変わるにもかかわらず、確認しなければわからないことも学びました。思い込みで進めず、必ず自分から確認することが大切です。フリーランスの収入は社会保険料が全額自己負担になるため、会社員時代の額面と単純比較はできません。手取りベースで冷静に計算し、最初の案件は「実績を作る」という観点も含めて総合的に判断することが大切です。

一方で、アデコフリーランスやテックダイレクトのようにマッチングサイト型のサービスでは、条件設定のチューニングだけでなく、誤操作による意図しない応募や、スキルがマッチしない自動配信の「おすすめ」メールといった課題もあることがわかりました。また、60代エンジニア.comのように登録後一度も返事がなくサイト自体が開かなくなったケースや、エイジレスのように面談まで進んでも案件がゼロというケースもあり、登録しただけで安心はできないことも実感しました。自分から積極的にフォローし、エージェントのサイトの稼働状況も含めて確認し、見切りをつけるべきタイミングを見極めることも大切です。

3月末で現在の契約が満了となります。案件が3月中に決まらなかった場合、4月以降はフリーランスの案件探しに加えて、契約社員などの雇用形態も視野に入れた幅広い活動を進めていく方針です。転職サイトのカジュアル面談制度を活用して、SES企業からのASP.NET案件情報も含めて検討したいと考えています。エイジレスのように、フリーランスと契約社員の両方の案件を扱っているエージェントもあり、雇用形態にこだわらず「自分のスキルを活かせる環境」を最優先に探していきます。

大手で断られても、それはスキルの問題ではなく、エージェントのビジネスモデルや商流の構造的な問題です。同世代のエンジニアの方がいらっしゃれば、シニア特化型のエージェントだけでなく、60代を受け入れてくれるエージェントを幅広く探してみてください。私自身の経験では、シニア特化型だから案件が見つかるとは限らず、特化型ではないエージェントから案件紹介に至ったケースもありました。大切なのは「シニア特化」という看板ではなく、60代を受け入れる姿勢があり、案件の母数が十分にあり、担当者が積極的に動いてくれるかどうかです。

引き続き、案件探しの進捗はこのブログで共有していきます。

エージェントの皆様へ ― 4月以降の参画先を探しています

現在、2026年4月1日以降に参画可能なASP.NET案件を探しております。IT業界で37年の実務経験があり、直近ではASP.NET Core Razor Pagesを用いた開発に携わっています。レガシーシステムからモダン環境への移行経験も豊富です。

主なスキル:

  • ASP.NET Core Razor Pages / ASP.NET MVC / ASP.NET WebForms
  • C#、VB.NET、JavaScript、SQL
  • Oracle、SQL Server
  • Windows Server、IIS

希望条件:

  • ASP.NETまたは.NET系デスクトップアプリケーション(C#・VB.NET)の案件
  • フルリモート希望(週1〜2出社も可)
  • 2026年4月1日以降の参画

ご紹介いただける案件がございましたら、お気軽にご連絡ください。

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